寒露 10月8日頃〜
陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也(歴便覧)
冷たい露の結ぶ頃。秋もいよいよ本番。菊の花が咲き始め、山の木々の葉は紅葉の準備に入る。
稲刈りもそろそろ終わる時期である。
(「歴便覧」は天明七年(1787、寛政十年(1798)に再版)に出版された暦の解説書です)
寒露とは、晩夏がから初秋にかけて野草に宿る冷たい露のこと。
秋の長雨が終わり、本格的な秋の始まりになります。
この頃になると五穀(米、麦、栗、豆、
黍、
稗など穀物全般)の収穫もたけなわで、農家では繁忙を極めます。
露が冷たい空気と接し霜に変わる直前で、紅葉が濃くなり、燕などの夏鳥と雁などの冬鳥が交代される時期です。
大気の状態が安定して空気が澄んだ秋晴れの日が多くなり、夜には月も美しく輝いて見えます。寒露の頃になったら、空を見上げてみてはいかがでしょうか。
菊の花が咲く時期でもあり、韓国や中国では菊花餅(もち米を練り、菊の花を載せて焼いた餅)や、菊花酒(もち米を醸造し菊の花びらを入れて寝かせ、香りをつけた酒)を作る風習もあるそうです。
昼が短くなり夜が長くなるのを感じる頃。
深まる秋に備え、冬物の衣類などの準備を始める目安にしましょう。
二十四節気では、寒露の次は10月23日の「霜降(そうこう)」です。
写真:菊
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